この統合方法では、SMTP経由でメールメッセージを中継するメールサーバー(EximSendmailPostfixなど)をインストールする(またはすでにインストールされているメールサーバーを使用する)こと、およびDr.Web MailDがメールスキャン用の外部フィルターとしてこのメールサーバーに接続することを前提としています。MilterSpamdRspamdインターフェースを使用する任意のメールサーバーに接続できます。

このセクションの内容:

メールサーバーのスキャンパラメータを設定する

Dr.Web MailD設定を設定する

3)PostfixのSMTPプロキシ設定例

1)メールサーバーのスキャンパラメータを設定する

SMTPプロキシを実現するには、メールサーバーがメールメッセージを受信し、MilterSpamdRspamdインターフェースを介してメールスキャン用の外部フィルターとして接続されたDr.Web MailDでメールメッセージをスキャンし、指定されたルーティングルールに従ってメールメッセージの配信チェーンの最後または次の中間MTAにメールメッセージを送信するように設定する必要があります。

MilterSpamd、またはRspamdインターフェースを介してDr.Web MailDをメールスキャン用の外部フィルターとして接続するために必要なMTAパラメータは、「フィルターとしてのMTAとの統合」のセクションに記載されています。

メールメッセージの送受信のルーティング設定は、インストールされているメールサーバーによって異なります。次の例は、Postfixメールサーバーのこのような設定を示しています。

2)Dr.Web MailD設定を設定する

Dr.Web MailDとメールサーバーを統合するには、設定ファイル内のDr.Web MailDの設定セクション([MailD]セクション)にあるパラメータの値を確認し、必要に応じて変更する必要があります。このような設定の例は、「フィルターとしてのMTAとの統合」セクションにあります。

3)PostfixのSMTPプロキシ設定例

次の例では、Postfixがドメインexample1.orgおよびexample2.comからメールボックスに送信されたメールメッセージを受信すると想定しています(メールメッセージのルーティングテーブルは、/etc/postfix/transportファイルで指定されています)。ネストされた脅威およびスパムに関するメッセージのスキャンは、Dr.Web MailD.によってMilterインターフェースを介して実行されます。Dr.Web MailDは、ホスト10.20.30.40.でポート1234をリッスンします。

1.main.cf設定ファイルの内容:

#メールメッセージのスキャンと転送が実行されるドメイン
#メールメッセージ。
relay_domains = example1.org, example2.com
 
#実行する外部Milterフィルターに接続するための設定
#ウイルスとスパムのメッセージスキャン。
smtpd_milters = inet:10.20.30.40:1234
milter_protocol = 2
 
Transport table (mail routing settings).
transport_maps = hash:/etc/postfix/transport

2.transportファイルの内容:

#文字列形式:
#<transfer domain> <connection type>:<MTA address>:<listening port number>

#ドメイン「example1.org」のすべての送受信メール
#スキャンした後、MTAに転送されます。
#これは、ホスト「relay.example1.org」にあります(デフォルトでは
#SMTPプロトコルのポート)
example1.org    smtp:relay.example1.org
 
#ドメイン「example2.com」のすべての送受信メール
#スキャンした後、MTAに転送されます。
#これは、IPアドレス2.2.2.2からポート10025のホストにあります
example2.com    smtp:2.2.2.2:10025